神戸で開催されてた
ジブリ展にゆく。
めちゃくちゃ感動した。
会場を流れていく人の中で
静かに、泣いた。
特に三鷹の森美術館の
初期構想の企画テキスト。
ひとつひとつの言葉の選び方。
言葉の背景にある価値観。
そして優しさと愛情と
想いの強さに。
以下、
三鷹の森美術館の
宮崎駿が書いた初期構想。
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こんな美術館にしたい
おもしろくて、
心がやわらかくなる美術館。
いろんなものを発見できる美術館。
キチンとした考えが
つらぬかれている美術館。
楽しみたい人は楽しめ、
考えたい人は考えられ、
感じたい人は感じられる美術館。
そして、入った時より出る時
ちょっぴり心がゆたかに
なってしまう美術館!
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そのために、
建物は・・・
それ自体が一本の映画としてつくりたい。
威張った建物、立派そうな建物、
豪華そうな建物、密封された建物
にしたくない。
すいている時こそ、
ホッとできるいい空間にしたい。
肌ざわり、さわった時の感じが
あたたかい建物にしたい。
外の風や光が
自由に出入りする建物にしたい。
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運営は・・・
小さな子ども達も一人前にあつかいたい。
ハンデをもっている人に
できるかぎり配慮したい。
働く人が自信と誇りを
持てる職場にしたい。
道順だの、順路だのと、
あまりお客さんを管理したくない。
展示物に埃がかぶったり、
古びたりしないよう
いつもアイデア豊かに、
新しい挑戦を続けたい。
そのために投資を続けるようにしたい。
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展示物は・・・
ジブリファンだけが
よろこぶ場所にしたくない。
ジブリのいままでの作品の絵が並んでいる
「おもいで美術館」にはしたくない。
みるだけでも楽しく、
つくる人間の心がつたわり、
アニメーションへの新しい見方が
生まれてくる場所をつくりたい。
美術館独自の作品や絵を描き、発表する。
映画展示室や展示室をつくり、
活き活きと動かしたい。
(独自の短編作品をつくって公開したい!)
今までの作品については、
より掘り下げた形で
位置付けて展示したい。
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カフェは・・・
楽しみ、くつろぐための
大事な所として位置付けたい。
ただし、多くの美術館のカフェが
運営困難になっている現状からも
安直にはつくりたくない。
個性あふれたよい店を、
まじめにつくりあげたい。
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ショップは・・・
お客さんのためにも、
運営のためにも充実させたい
ただし、売れればよい式の
バーゲン風安売り店にしたくない。
よい店のあり方を模索しつづけたい。
美術館にしかない
オリジナルグッズをつくりたい!
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公園との関係は・・・
緑を大切にするだけでなく、
10年後さらによくなるプランをつくりたい。
美術館ができて、
まわりの公園もゆたかになり、
公園がよくなって
美術館もよくなったといえるような
形と運営を探し見つけたい!
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こういう美術館にはしたくない!
すましている美術館。
えらそうな美術館。
人間より作品を大切にしている美術館。
おもしろくないものを
意味ありげに並べている美術館。
三鷹の森ジブリ美術館
館主 宮崎駿
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想いを言葉にし、
イメージボードに描き、
それを形にする企画へと。
宮崎駿も
そうやってひとつひとつ
形にしていくんだと知れて
ほんとうに嬉しかった。
そしてイメージボードの
ディティールの細かさは
やっぱりすごい。
絵コンテとか
アニメーションの
イメージボードもそうやけど
シンプルで丸みのある線と
暖かい色味の彩色。
こうやってメンバーに
細かいディティールまで
理想のイメージを共有するからこそ
300人とかのメンバーでも
ひとつの物がつくれるんだな。
ほんとうに勉強になるし
心から感動した。
おれはアニメーターではないけど
この人の弟子筋だと勝手に思ってる。
それは生き方の、だし、
人間としての思想の、だ。
同じ時代に生まれたことを
同じ日本人として
同じ人類として
ほんとうに誇りに思います。